前作を観ていなくても楽しめる『レジェンド・オブ・ゾロ』
午後のロードショーで放映していたので鑑賞。
『マスク・オブ・ゾロ』の続編である今作だが、前作を観ていなくても楽しめた。
この映画一番の感想は、ノリとか展開とか作り込みとかがザ・2000年代アクション映画。
正直嫌いじゃないぞ。むしろ好き。
主人公のゾロは一匹狼的なヒーローかと思いきや奥さんと子供がいて、パパが隠れてヒーローをやっているという状況。奥さんはヒーローやっていることを知っているが子供は知らないまま。
父親でいる時は冴えないがヒーローの時は大活躍、という割とベタなシーンも多くあるがやっぱりそういうシーンは見ていて面白い。
ちなみにゾロの奥さんも強く、子どもまでなかなかの強さを見せる。
ゾロだけでなく家族の活躍も見どころ。
ゾロと一緒にいた神父が序盤はアドバイスだけの役割だったのに、最後の方に謎の戦闘力を発揮していて笑ってしまった。
決して超大作とは言えないんだけど、元ネタである快傑ゾロという名にふさわしい快作、傑作という出来だった。
アメリカ舞台のアメリカ映画だが、雰囲気がどことなく西洋を感じるのはなんでだろう。
西部劇とスペイン辺りを足したような。
あれ?『ONE PIECE FILM GOLD』が普通に面白かったんだけど。
地上波で放送されたので劇場版ワンピースの最新作を。
子どもの頃はワクワクしながらワンピースの映画を観ていたもんだ。
今や「子ども向けの映画だし、冒頭だけ観てみるか。まあ子ども向けクオリティなんでしょ。」という曲がった気持ちで見始める始末。
さよなら、少年心。
そしてしっかり最後まで観てしまった。
今回は普通に面白かった。少年心を失い、ワンピース熱も冷めてきた僕でも観てて退屈しなかった。
今作も最近の映画作品同様に原作の作者である尾田栄一郎氏が制作に参加しているということもあり、ワンピースらしさがとてもよく出ていたと思う。
○あらすじ
ルフィ率いる麦わらの一味はある日、グラン・テゾーロという黄金の島に上陸。
そこは海賊や海兵達が集まりギャンブルが行われる華やかな独立国家の巨大な船だった。
ルフィ達はそこでカジノに参加。一時大儲けするも、この地を治めるギルド・テゾーロとの賭けにイカサマで負け、借金を負ってしまう。その際、賭けに負けた金を返す代わりに仲間のゾロを人質に取られる。
ギルド・テゾーロの目的は、初めから麦わらの一味を崩壊させる為にゾロを人質に取っていたのだった。
さらにこの島がギルド・テゾーロによって横暴な支配をされていることを知った麦わらの一味は、島で出会ったナミの元同業者のカリーナと行動を共にする。
ゾロを助けるための借金を返す事と、この街の支配を解放させるために麦わらの一味はテゾーロの一味に立ち向かう。
簡単なストーリーはこのような感じ。
今回の敵はギルド・テゾーロというゴルゴルの実の能力者の【金】を自在に操る。
いかにもな敵顔なんだよね、とても良いと思う。強そうな雰囲気もちゃんとある。
ただテゾーロは
⚪︎貧乏な家庭で親からも見捨てられ、
⚪︎夢を叶える途中で出会った想い人が天竜人に奴隷として買われ、
⚪︎自分も奴隷として買われ散々な人生を歩む。
というマイナスが役満な人生を歩んできたのでそのシーンを見てからその状況を知るはずもないルフィにボコボコにされる姿を見るとなんだかとても可哀想だったり。
この世界は一番悪いのは天竜人をはじめとする大きな権力を持った人だったりするからね。
そんなわけでボコボコにされるテゾーロだけど敵キャラとしてはなかなか魅力的なキャラクターだ。
先述した通りこの作品は作者の尾田栄一郎氏が関わっているのでワンピースらしさがよく出ていた。具体的に挙げるとするならば、
①オープニングの映像と衣装のかっこよさ
②懐かしいキャラクターの登場
といったところか。
①はオープニングの映像で、キャラ紹介の為にあまり強くなさそうな敵が登場する。
ルフィ達麦わらの一味はその敵を一人一人倒していくのだが、なかなかに爽快。過去作のストロングワールドでも似たようなシーンはあったな。
ここの場面は一人一人の見せ場があってとてもかっこ良い。映画の冒頭だけ観るつもりが最後まで観るきっかけになったシーンだった。
そして衣装もいつもの格好ではなくとてもおしゃれだ。2、3回ぐらい衣装チェンジがあったりしてその場面の雰囲気に合った服になっているのもとても面白い。
劇場版になるとTPOを守りだす麦わらの一味に疑問を持ったらいけない。
②については元CP9のロブ・ルッチやスパンダム辺りを登場させたのは嬉しいサプライズ。旧キャラも出しつつ近年登場のサボも登場させ無理ない程度に物語に絡ませるのはさすがワンピースだなぁと感じた。
ワンピースのしれっと旧キャラを出していくスタイルとても好きなのよね。
ちなみに地上波で放送した日のSNSなんかでは隠れキャラ的に〇〇がいた!なんて情報が流れてたりもしていたのでそちらも注目して観てもらえれば。
そんなこんなで意外と楽しめた今作。
子ども向けといえば子ども向けなのかもしれないが少年心を取り戻してくれる観やすい仕上がりになったのでは。
ちなみにエンディング曲が好みだった。GLIM SPANKYの『怒りをくれよ』
怒りをもっとくれ、本気になりてぇんだ
って歌っている。
なんだそれすげぇかっけぇな。煽り耐性ゼロの僕だったら、
これ以上怒らないでくれ、あんまそういうの慣れてねぇんだ
っていう歌詞になるわな。
(ネタバレあり)『アベンジャーズ/インフィニティウォー』の衝撃
本編時間は150分ほど。
約130分の興奮と、20分の衝撃。感情が揺さぶられた。そりゃあもう150分間脳汁が出まくっていた。
人ってこんなに興奮できるんですね。
(ここから先はネタバレあり)
◯感想
大まかなストーリーというか大筋の話と感想を。
インフィニティストーンという特殊な力を持った石が6つあり、それを全て集めるととてつもなく強大な力を手に入れることが出来た。
最強だと宇宙でも恐れられていたサノスは生命のバランスを保つべく、その力を手に入れ生命の半分を消し去ろうとしていた。
その石を求めてあらゆる所に行き手に入れる為なら星を滅ぼすのもいとわないサノス。
地球にもその脅威は及び、地球や宇宙のヒーロー達がサノスの野望を止めるべく協力し立ち向かっていく物語。
この映画はたくさんのヒーローが登場する。それなので初めて知る者同士もたくさんいる。しかし目的はサノスを倒すということなので、彼らは臨機応変にチームを組む。
今までのアベンジャーズははっきりとアベンジャーズというチームを1つ組んで同じ場所で闘ったが、今作は宇宙や地球など様々な舞台で様々なヒーロー達が協力して闘う。アベンジャーズが複数チームあるのだ。
物語は序盤から衝撃的。アベンジャーズの敵でもあり、『マイティーソー』シリーズでもおなじみのロキがサノスに殺されてしまう。
ロキはシリーズ通してもかなり印象深い人物だったのでこれはかなりのショック。
そこからは基本的にシリアスな流れで物語が進んでいく。
そんな中緊張をほぐして笑いを取ってくれるのが『ガーディアンズオブギャラクシー』のチームだ。
彼らのジョークシーンは今作でかなりありがたく感じる。
そしてガーディアンズチームにソーが合流。
その辺の絡みなんかは見ていてとても面白い。
その後、地球でドクターストレンジ、アイアンマン、スパイダーマン、ハルクVSハルクの部下たちの闘いもあるのだが、これがなかなかに激しい。物語の序盤とも思えない目まぐるしい戦闘に早速心を奪われる。予告でやってるシーンでもこの辺が多く使われたりするもんで…。
アイアンスパイダーかっこいいぜ…。
一方ブラックパンサーの故郷ワカンダに身を潜めていたキャプテンアメリカチームは離れ離れになったスカーレットウィッチ、ヴィジョンと合流。2人を襲うサノスの部下を撃退しワカンダに戻る。
スカーレットウィッチとヴィジョンは前々から恋仲フラグを建てていたわけだがここにきて完全に恋人である事を確信するわけだ。
クイックシルバーはあの世で泣いてるが、まあヴィジョンあんな赤い体してるけど紳士だから。
ちなみに今までの作品を観ていた人は知っての通りヴィジョンはインフィニティストーンの1つを使って命を宿していているのでおでこにストーンが埋まっている。今作はその石をサノスとその部下に狙われるわけなのでその石をおでこじゃなくてどうにか体内のどこかに隠さないかなと願っていた。まあ無理なのだが。
そんなわけであご髭を蓄えいつのまにかワイルドになったヒーロー、キャプテンアメリカに助けられ、ワカンダに向かう。
キャップが二人を助けるシーンは悲しきかな今作のキャップの一番の見せ場だと思うので是非注目して欲しい。
キャプテンアメリカは「キャプテンアメリカ/シビルウォー」でアイアンマンと袂を分かち別々の道を歩んでいた。この作品でキャプテンとアイアンマンが共闘する事はない。次回作でその共闘は叶うのか。それはまだわからない。
その後ガーディアンズオブギャラクシー チームはサノスに負けない武器を作りに行くソーに着いて行く組と、サノスの野望を止めるためインフィニティストーンを探す組に分けられる。
しかしインフィニティストーンを求めて星に辿り着いたスターロード率いるチームはサノスと出会う。
そこでスターロードの恋人であるガモーラをサノスに連れ去られてしまう。
ここのシーンの緊張感は半端ではない。サノスの圧倒的な力を感じるシーンの1つでもある。
サノスの求めていたインフィニティストーンを手に入れる為に必要だった犠牲は「愛するものの死」
連れ去られたガモーラはサノスに愛はないと言ったが、サノスは涙を流しながらガモーラを殺してしまう。
サノスの愛したものこそ義理の娘のガモーラだった。
サノスはインフィニティストーンを5つ集める。
ここで物語は最終大戦に向かって行く。
ヴィジョンが持っているインフィニティストーンを求めてサノスの部下達が敵を大勢連れて地球にやってくる。それを守るはチームキャプテンアメリカ。
多くのヒーローが決戦の地のワカンダに集結する。
アイアンマンチームはガーディアンズのスターロードチームと合流し、サノスの生まれ故郷の星で直接サノスと闘う。
ありとあらゆる可能性から1つの勝ちの可能性を見つけ勝利目前だったが、ガモーラがサノスによって殺されたと知ったスターロードが計画と違う行動をしてしまったのをキッカケに全員敗れてしまう。
この戦いの敗因は言うまでもなくスターロードさんなんだが、彼も憎き相手に恋人を殺されてしまう悲しい運命に立ち会ってしまった人なので許してほしい。
地球では最強の武器を作ったソー達が合流し、サノスの部下達をなんとか倒す。
ピンチの流れだったが、ソーが来てからは無双状態。というかソーが無双状態。
彼、アベンジャーズの1でも無双してたけどまた無双するんすか。もう反則ですよ、神。
あと、ロケットとバッキーの共闘は個人的に熱いです。名シーンです。こういうの大好物ですありがとう。
だがここでついにサノスが地球にやってくる。ヒーロー達は果敢に立ち向かうも石を5つ集めて無敵状態のサノスに勝てるものは誰もいなかった。
そしてヴィジョンから石を無理やり剥がし遂に石を6つ集めてしまう。
そんな中ソーが果敢にサノスに突撃。サノスの心臓に斧を突きつける。
しかし、サノスは生きていた。彼は指をパチンと鳴らす。
ここからがブログの初めに書いた『20分の衝撃』。
多分普通のヒーロー映画だったらサノスの目論見は失敗してサノスを倒しハッピーエンド。しかしそうではなかった。
サノスが指を鳴らすだけで石が宿るその強大な力から宇宙の半分の生命が消えてしまうと言われていた。
それが成功してしまったのである。
ヒーローは次々と枯れ葉のようになって消えていく。
宇宙にいるアイアンマンチームでも次々と消えていく。そこでアイアンマンは完全な敗北を知る。弟子のような存在であるスパイダーマンも消えてしまった。
最後には満足そうな表情を浮かべた遠くを見つめるサノス。
ここで物語は終わる。
驚きだ。やられた。
サノスは帰ってくる。
この文字が浮かび物語の幕は引く。
いや引けるかい。
今のままだと完全にバッドエンドでしかない。ここからどうやって次に続けるのかとても気になる。
この映画は完全に二部作のパートIだった。しかしタイトルもずるい。インフィニティウォーというタイトルだけだったもんでまさか二部作になるとは予想していなかった。
たぶんパートIという副題を付けなかったのはこの衝撃を増すためであろう。
正直続きが気になってしょうがない。早く観たいんですが!!
この作品を単体として見てもとても面白かった。戦いの連続で余計なシーンが少ない。観ていてとても気持ちよかった。
ジョークシーンとシリアスシーンのバランスや、キャラクターの登場頻度も悪くないと思う。
この映画を観終わって、早く続きが観たい!そう思わせたらこの映画は勝ちなのだがそれ以外でも面白いところは様々あり、何回か見直したくなるような作品に仕上がっていたと思う。
まだ観ていないそこのあなた、マーベルは待ってくれないぞ!復習をしっかりした上でインフィニティウォーを観にいくのだ!!
『アベンジャーズ/インフィニティウォー』の注意点
『アベンジャーズ/インフィニティウォー』を観る上で注意点が1つある。
それはシリーズ物の集大成ということ。
『アベンジャーズ』という名が付いているからと言って、アベンジャーズ2作品を復習すればいいというわけではない。
かといって全作品観なくてはいけないわけでもない。
最低限の作品を復習すれば観ていなくても楽しめるだろう。
だが全作品を観たわけでもないのに、「キャラが多すぎる」とか「ストーリーがよく分からない」は無しだ。
この作品は様々なヒーローを1つのシリーズに集結させるべくスタートしたプロジェクト、MCU(マーベル シネマティック ユニバース)というシリーズの1つの到着点だ。
『アイアンマン』から始まり約10年間もの中で様々な作品、様々なヒーローが登場し物語をつむいだ。
このシリーズは10年間通して出来上がった一本の映画のようなものである。
なので途中しか観ていなかったら『インフィニティウォー』のストーリーの細かい点までは理解はできないと思うし、キャラクターに感情移入が出来ない。
そうなってくると面白くは感じないだろう。
しかしそれではもったいない。今からでも遅くはない。
1作品1作品ちゃんと面白いので是非観てほしい。
MCUシリーズに浸って『インフィニティウォー』を観てほしい。
きっと『インフィニティウォー』を観るときには最高の気分になるはず。
『チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?』
洋画コメディが日本に来た時あるある
やたら長い副題。
『ハングオーバー』の脚本家が作ったコメディ映画。ハングオーバーに負けないくらいのお下劣でイカれた作品に仕上がっていた!さすが!
個人的にアメリカ映画の汚い感じのコメディは色々と突き抜けてて嫌いじゃないのだが、感性的に苦手な人は多くいるはず。だが普通に観て面白い場面もあるのでとりあえず観てもらえれば。
ファミリーとかで観るとお茶の間凍りつくから観てはいけないよ。全国の親御さん、面白そうなパッケージだ〜!って勢いでレンタルしてはいけないよ。
題材は邦題でお察しの通り、2人の入れ替わりものだ。今作は正反対の性格の2人の友人が入れ替わる。
◯ストーリー
エリートで仕事熱心、子どもにも恵まれながら家庭を築いている生真面目な性格のデイヴ。
あまり売れない俳優業をしながら気ままに生き地に足つかない生活を送るミッチ。
2人は街の公園にある女神像がある泉におしっこをかける。おしっこをしながら2人は会話の中でそっちの生活に変わってみたいよ!と願う。すると次の日、本当に入れ替わってしまっていた。
2人はバレないようにやり過ごそうとするがお互いの仕事が自分の性格に合わず、上手くいかなかった。
家庭を持ったことのないミッチは、父親や夫としての接し方が分からずデイヴの娘や妻を傷つけてしまう。
一方デイヴも自由きままな生活になれず困惑。
家庭や仕事がダメダメになってしまったことを知ったデイヴはミッチに「一度でもいいから逃げずにやり遂げてみろ!」と叱責。
さらにその後ミッチは父親から「あいつは逃げてばかりだ」と言われてしまう。
ミッチの心に火がついた。デイヴから仕事や子育てのあれこれを聞きそれを真剣に取り組んで行き、徐々に形になっていった。
さらに真剣に取り組んで行く中にも、自分の元のプラスな性格を取り組んで行くことにより、家庭も仕事も上手くいっていった。
一方のデイヴも今までの生真面目な性格から羽目を外すことを覚えた。
2人はお互いの入れ替わった生活に順応していった。
ある大きな一件の仕事を成功したミッチ。彼はデイヴの家族と共に表彰式に向かう。
そこでミッチはデイヴの生い立ちをスピーチで聞くことになる。
ミッチは気づく。この人生は自分の物ではないと。デイヴが築き上げてきたものなのだと。
デイヴも別の場所で自分には大切な家庭があるのだと気づく。
2人はショッピングモールに移動された女神像がある泉におしっこをかけ、無事にお互いの体に戻る。
2人はお互い幸せに暮らしてハッピーエンド。
というストーリーでした。
基本的には9割がコメディ。
とは言ってもハングオーバーよりは最後は感動テイストにしてあったので綺麗にまとまったのでは。ミッチの変貌ぶりには驚き。最後にはあんなに成長しちゃって。
隣の芝生は青く見える。それはみんな分かっているんだけどその芝生に入ってみたくなるんだよね。
でも入ってしばらく経つと、自分の芝生の大切さに気づく。そういうものなんだね〜。
隣の芝生は青く見えるっていう言葉。
僕は今まで隣の芝生はそっちはそっちで大変だからって意味だけかと思っていたんだけど、なるほど自分の作り上げてきた芝の大切さも教えてくれる言葉だったとは知らなかった。
冷静に考えるとなぜこの作品で心に響くものがあったのか自分でも不思議でしょうがない。内容が基本下ネタなのに(笑)
『名探偵コナン から紅の恋歌』がヒット理由 それは安定性
金曜ロードショーで録画した劇場版コナンを鑑賞!
なんせ世代なもんでコナンの映画は毎年なんやかんや見ている。映画館ではもう観なくなってしまったが。
そして思い入れのせいもあってかベイカー街の亡霊がダントツで好き。
でも決して信者ではないから偏った考えで評価はできない。
という事で考えると今作の評価!
普通!!!
まあ落ち着いて。平次が大好きで平次が出てる作品とそうじゃない作品の評価に偏りが出てる方、特に落ち着いて。
普通といっても何もない普通じゃなくて野球でいうところのヒット、ゴルフでいうところのパーというような感じ。
やるべき事はやってるから特に文句はない。
今回の作品が2017年の邦画興行収入No.1になった理由はまさにその普通が出来たからかな、と。
この映画を観て周りにどうだった?と聞かれたら「つまらない」というよりは「まあまあ良かった」ってなる人のが多いんだと思う。めちゃくちゃ面白かったわけじゃないなら観に行かなくてもいいかなぁとなるんだけれど、それは単発ものの映画の話。
シリーズものは以前観たことある人はまた足を運びやすくなる。さらにコナンのようにその作品が前作品と繋がりがないものなら以前の作品を観ていなかった子どもも気軽に観に行ける。
さらにこの作品のヒットの理由として他に挙げるとすれば、タイトルや舞台。
『から紅の恋歌』というタイトル。とても綺麗で素敵。それだけで情景が浮かぶ。
そのタイトルに沿うように舞台も京都、紅葉、和歌などかなり日本的なものだ。
多分そういうところで狙いを定めてタイトルにもある『恋』に重きを置いたテーマだったのでこんなにヒットしたのかなぁと勝手に想像した。
日本人は本当に恋の物語好きだな。いや、僕も日本人だけども。
内容はまあいいんじゃないかなぁ。「ミステリー映画はたまに観ているし大衆向けのアニメなんだから、犯人くらい当てられるわ!」とか思ってた僕も途中まで分からなかったからミステリーとしては悪くない出来だと思う。
アクションに関してもまあ、いいんじゃないかと。いや、元々ありえないアクションしてたけど。
今作でテレビ局爆破されてコナン君が燃えているテレビ局から逃げようとした時に、テレビ局アンテナの周りをスケボーでぐるんぐるん回って大ジャンプ決めてやるぜのシーンがあるんですよ。
コナン君は真剣そのものなんだけど、やることがぶっ飛びすぎててちょっと笑ったよね。それを平次が察してなるほど工藤!みたいな空気になるのも合わせて笑った。
まあそういうツッコミどころも含めて楽しめば、娯楽作品として安定して観れる作品だとは思った。
平次と和葉がメインの今作だったが、さすがに登場人物増えすぎたな。蘭ねーちゃんも小五郎のオッチャンも少年探偵団もほとんど出番がなかった。
いやー、それにしても和葉は可愛い。
(ネタバレあり)全映画好き、ゲーム好きに贈る名作『レディ・プレイヤー1』
やられた。やってくれたよスピルバーグ。
低迷しているなんかも言われていたスティーブン・スピルバーグ監督。
しかしこの作品でその言葉は全くの嘘になったと思う。
この映画から感じたポップカルチャーの愛情とスピルバーグのメッセージは素晴らしい形の作品になった。予告見て「映像美だけの作品ぽいなー」とか思ってごめんね。
ガンダム、ストリートファイター、AKIRA、ゴジラ、アイアンジャイアント、キングコング、ジュラシックパーク、ターミネーター、バックトゥザ・フューチャーにシャイニング。
この映画にはさまざまなオマージュシーンや登場キャラクターが出てくるゲームやアニメや映画のポップカルチャー好きにかなりオススメの作品になっている。このように色々な物を出せるのも色々な作品に触れてきたスピルバーグだからこそなせる技。
ストーリーと感想を。ネタバレもあるのでご注意。
物語はゲームの中の世界と現実世界を行き来して行われる。
現実の舞台は、様々な地球の問題により荒廃した2045年。荒廃とはいっても『マッドマックス』のようなヒャッハーな世界ではなく、スラム街のような状態だ。
一方ゲームの世界はオアシスと呼ばれる仮想の世界のゲーム。自分の姿がなんにでもなれるし自由に生きられるその世界にみんな没頭していた。
オアシスの世界はいわゆるVRゲームのようなもの。
今のVRがもっと発達したらこの映画のようなリアルな世界に入り込めるのかなぁ。
オアシスではゲーム創設者のジェームズ・ハラデーの遺言で3つの試練をクリアするとゲームの所有権と大金がゲットできるというゲームが開催されていた。某海賊マンガ的にいうと世はまさに大VRゲーム時代。ありったけの夢をかき集めているのだ。
スラム街に住む主人公のウェイド・ワッツもありったけの夢をかき集めてゲームに挑んでいた。
あることから第1の試練であるレースゲームをウェイドはクリアした。
このレースゲームのシーンの見応えはかなりなもの。障害物にティラノサウルスやらキングコングやらが出てくるんだがその迫力満点。しかも主人公が乗っているのはまさかのデロリアン。
残る2つの試練をクリアするためにウェイドはゲーム内の仲間エイチとトシロウ、ショウ、そして今作のヒロインであるアルテミスと出会いみんなで試練を乗り越えようとする。
しかしそこに立ちはだかるのは今作の敵、オアシスの世界を手に入れたいIOIという大企業の社長ソレント。
彼は現実世界で主人公の里親を殺したりゲーム世界でも主人公を狙って殺し屋を差し向けたりなどあらゆる手段を使って自分がクリアする為に邪魔をする。
社長ソレントも自らオアシスの世界に入ることもあるのだが、彼のアバターがなんだか悪いクラークケント(スーパーマン)にしか見えないのがなんか笑える。
現実世界で里親を殺され拠り所を失った主人公はレジスタンスと呼ばれる軍団に攫われる。アルテミスのプレイヤーであるサマンサと出会う。
ゲームの世界で私と現実世界で会ったらきっと幻滅するわとか言ってたけど顔に跡があるだけで可愛い女の子という奇跡。なんてこったい。
そして第2の試練の舞台として出てきたのがまさかの映画『シャイニング』!
あの双子も登場して血が流れるシーンも完全に再現!シャイニングを映画館で観れていない世代なのでなんかもうそれだけでありがとうございますってスピルバーグに言いたくなる。
シャイニング本編の最後にも出てくるあの白黒の集合写真も最後の雪のところもあるのさすが。
舞台は変わって現実。第2の試練も無事クリアした主人公チームだがここでレジスタンスの拠点にIOIのお邪魔が入り、主人公とヒロインは離れ離れになってしまう。
ヒロインはIOIに捕まってしまい、主人公はIOIから逃げてる所をゲーム世界での仲間、エイチ、トシロウ、ショウのプレイヤーの3人と出会い助けてもらう。
エイチはゲーム世界だとかなりゴツいやつだったがプレイヤーはたくましい女だった。
トシロウは日本人の青年。ショウはまさかの11歳の男の子。
4人でゲーム世界に入り第3の試練に向かったが第3の試練のレトロゲームをクリア、の場所をIOIの社長がシールドを使って侵入出来ないようにしていた。
主人公はこのままじゃこのゲームは社長に乗っ取られてしまうと思い、ゲーム世界の通信をハッキング。全世界のゲームプレイヤーに立ち上がってもらうべく決起を述べる。
すると世界中からプレイヤーが駆けつけみなでこのゲームを守ろうと立ち上がる。
このシーンはとても熱かった!全世界のプレイヤーの数の多いこと多いこと。よく見るとストリートファイターの春麗やミュータントタートルズなど見たことあるようなキャラクターのアバターもたまに見かける。DVD化したらこのシーンだけ一時停止しながら色んなアバターを見ようそうしよう。
対するIOIチームもこれに対抗。全世界のプレイヤーVS IOIチームの全面戦争となる。
この戦争のシーンもなかなかの見応え。
そしてここからが僕が一番なお気に入りの場面。
シールドを内部から破られた敵の社長はメカゴジラに乗りプレイヤーをバッタバッタと倒していく。
そこに立ち向かうのは日本人の青年トシロウ。
「俺はガンダムで行く。」という言葉と共に彼の侍のアバターが見る見るうちにガンダムの姿に!
ガンダムVSメカゴジラの闘いである。素晴らしい。日本の作品じゃないのに日本の作品同士が画面で熱い戦いを繰り広げている。ハリウッドの技術力を借りて。
鳥肌が止まらなかった!!
メカゴジラに手負いを負わせて散ったトシロウ。ヒロインがメカゴジラの中にいる社長のアバターに爆弾を投げてメカゴジラを無事倒す。
アイアンジャイアントに乗るエイチが親指立てながら溶鉱炉に落ちて行くというターミネーターのオマージュシーンも観ながら主人公達は奥に進み最後の試練に挑む。
最後の試練の途中で敵に邪魔されるが主人公は敵にまさかの波動拳!
対する敵は特大の爆弾を使い全アバターを消滅させるがライフを1つもらっていた主人公はただ1人ゲーム世界に生き残る。そして最後の試練をとうとうクリア。
すると場面はゲーム創設者ハラデーの子供時代の場面に。そこには老人になった死の直前の姿のハラデーもいた。
子どもの頃の彼はゲームに没頭。ゲームを開発する段階でもなかなか現実世界で上手くいかなかった彼の姿はどこか悲しげで悔いがあるように見えた。
その姿をみた主人公はゲームと現実世界のバランスに気づく。
その後ゲームの所有権を手に入れた主人公達だが現実も大事にする彼らはゲームに週2日の休みを入れるようにした。
彼らはゲームを通してゲーム以外にも大切なことがあると学んだのだった。
ストーリーはこれで終わる。
まず何と言っても前述した通りオマージュシーンや既存キャラクターの登場の多さに驚く。そして感動する。ポップカルチャー好きにはたまらないだろう。
また、スピルバーグはゲームや映画のカルチャーの愛情を出していると共にその世界に没頭しすぎるとゲーム創設者ハラデーのように現実で悔いを残してしまうのかもしれないというメッセージがあると勝手に感じた。
映画を観た人たちにはぜひ主人公のウェイドのようなバランスの取れた人間になってね、と。
そのメッセージには共感しつつも、これだけ現実から逃げられる楽しい作品に出会ってしまうとなかなか難しい。スピルバーグ監督、やってくれるぜ。
とりあえずそのメッセージはもう一回観に行ってからよく考えるって事にしよう。