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言いたいことが言える時代で良かったー!

『メッセージ』

タイトルだけでは内容が全く読み取れない。

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ポスターを見てもらえればなんとなく雰囲気はわかると思う。

というか日本のポスターは文字が色々書いてあるのでまあわかりやすい。この文字が不必要だと感じる時が多々あったりもするけど。

 

 

ある日突然巨大飛行体が地球に、その目的は不明。

売り文句っていうか、あらすじだなこれ。

 

世界の各地に12もの巨大飛行体が現れて、女性の言語学者の主人公、ルイーズが物理学者イアン、アメリカ軍大佐のウェバーと共に解明を進めていく。

 

いわゆる『未知との遭遇』のような題材を想像される。

そしてこの作品にも未知との遭遇同様、地球外生命体が登場する。

その姿はとてもミステリアスで引き込まれる。

現代の表現方法は多種多様でいいね!昔はチープな人形感が否めないものもあったと思う。まあそれはそれでレトロ感な恐怖はあるけども。

 

主人公は地球外生命体と交信を進めていくんですが、交信を取っていくうちに過去の記憶のような回想のようなものを見るんですね。

自分の娘が徐々に成長していきそれを見守るが、娘は病気なって早くに死んでしまい、悲しむ自分。

旦那は娘が小さい時に離婚して別れてしまっていたので1人になってしまった。

という記憶の映像。

 

しかしこの映像の話はクライマックスには予想しなかった展開に絡んでくる。

 

 

ここからは物語の大事な部分のネタバレになるので注意。

 

 

 

 

さて、ネタバレの部分を。

主人公が見ていた過去の記憶のようなもの。これは過去の記憶ではなく、未来の記憶だった!

なぜ見たものが過去のものではなく未来のものだと気づいたのかは物語の中で明らかになる。

 

さらに先ほど先述した別れた旦那というのが、今回の調査で長く行動を共にした物理学者のイアンだった。それも映像で見たのだった。

 

 

いま身近にいる人と結ばれ、娘も出来るが結婚相手と別れることは分かっていて娘すらも失ってしまうことも知っている未来。

それでも主人公のルイーズはイアンのプロポーズを受ける。

 

悲しくも美しい物語でした。

ドンパチ激しいSFではなく人間の心理や人の想いなどに重きを置いたSFというパターン。最後に多少のスピーディな場面は入れつつも全体的には静かに動く物語です。

合わない人には合わないのかもしれないけど、僕は好きでしたよ。

地球外生命体が中心になってもいいはずのこの手の映画だったのに、この映画は徹頭徹尾主人公の模様をえがいて、あくまでも【地球外生命体が来た時の人間】を中心に話が進んでいたので新鮮味もある。

なによりクライマックスの衝撃にめちゃくちゃ驚かされたからね。いいネタバラシのやり方だったと思う。

 

そう考えると一見『未知との遭遇』のようなジャンルの映画だと思われそうだが中身は全く別の映画だ。

人が食べられたり、腹に卵産みつけられたり、互いの人差し指合わせて友達になったり地球外生命体を扱った作品でも展開は様々。

今作はその中に新たな1つの展開が加わった。

 

新しい形のSFを楽しむなら是非この作品を。