(ネタバレあり)『パシフィック・リム アップライジング』に足りない圧倒的オタク成分。
前作『パシフィック・リム』から5年。とうとう続編が公開された。
いや、5年前?嘘だろ2、3年前とかじゃないのか…。
時が流れるのは早い。0歳でオギャーと泣いていた赤ん坊が5歳になって友だちと元気に遊んでいるのだから。
0歳でオギャーと生まれてヒットした前作からどういう5歳児になったのかと楽しみにしたのだが、この5歳児 どうやらしばらく見ない間に僕の知らない感じの子に育ってしまったようだ。
まずはストーリーを。(以下映画のネタバレありなのでご注意を)
◯ストーリー
ある日地球に異世界からやってきた怪獣が襲来。人類は巨大ロボット「イェーガー」を造り激戦の末に勝利する。(前作)
壊れた街の復興を続けながらも徐々に平和を取り戻した10年後の地球が今回の舞台。
主人公は前作で戦死したペントコスト司令官の息子ジェイク(ジョン・ボイエガ)。
彼は元軍人だったが今は軍を抜けて違法行為をしながら生きていた。
ある日ジェイクは孤児の少女アマーラと出会う。
2人はとある理由から軍に入る事になる。ジェイクはイェーガーのパイロットを訓練させる教官として、アマーラは訓練生として。
時を同じくして、中国のシャオ産業という会社がコックピットに乗らなくても無人で動くイェーガーを開発。
無人機を採用するかの会議をオーストラリアで開こうとするが会場付近の海から正体不明のイェーガーが現れ、会場付近を襲撃。前作でイェーガーのパイロットでもあり、ジェイクの家族同然だった森マコ(菊地凛子)の命が奪われる。
マコは死ぬ間際に襲撃したイェーガーは誰が乗っているかを暴くヒントになるデータを送信。
そのデータをもとにヒントの場所に行くと、襲撃したイェーガーがまた出現。交戦して勝利を収めたジェイク達が敵機のコックピットを開くとそこには怪獣の体(脳ようなもの)が。それは怪獣とイェーガーが合体したものだった。
ジェイク達は無人機を造るシャオ産業の社長が犯人だと疑った。
その後、軍の近くに配備されるシャオ産業が造った無人機が突如暴走して軍を襲う。壊滅的な状況に陥る。
しかし犯人はシャオ産業の社長ではなく前作でも登場したニュートン博士だった。
博士は前作で怪獣の脳とリンクした時に敵に操られてしまっていた。操られたニュートンは再び怪獣を地球に放とうとする。
怪獣を放つ裂け目を閉じることには成功するが、その間に3匹の怪獣が再び地球に現れてしまう。
怪獣達はレアメタルを求め日本の富士山へ向かう。レアメタルと怪獣の血液が混ざってしまうと科学的な反応により地球の火山帯は爆発し地球滅亡になってしまう。
壊滅的な状況にジェイクはパイロット訓練生達を連れ、残った4体のイェーガーで立ち向かう。
◯感想
前作と明らかに雰囲気の差がある。ブログタイトルにもある通り今回圧倒的に違うのはオタク感の喪失。これだと思う。
今回の主人公、見てよこれ。
紛うことなきパリピじゃん。しかも強そうな感じのベクトルが違うじゃん。オタク狩りしそうじゃん。なんなのジョンボイエガ、『スターウォーズ』のフィンの時は真面目さがあるけど髪型変えるだけでなんでこんなイケイケになるの。
もっとこう、オタクが好きそうな理想の主人公的かっこよさってもっと別であるのかなって思った。
ストーリーもあまりいい出来とはいえない。やっぱり何と言っても『パシフィック・リム』は怪獣とイェーガーの闘いを多く見たい。
しかし途中まではイェーガー同士の闘いだったりこの原因は一体なんなんだ?みたいな会話が多い。ジョークシーンもあまりないので説明をずっと聞いているような気がする。ジョークシーンがあったとしてもセリフとかどっかでみたようなテンプレートなものばかり。
申し訳ないが2時間あるうちの最初の1時間は全く物語に引き込まれなかった。
楽しい物語って本当に気づいたら瞬間的に引き込まれてその世界に飛び込んでいるものだもの。
今回はしばらく、「映画を観せられているんだなぁ」って感覚が強くある。
ラストバトルでようやく怪獣VSイェーガーの闘いが見れたと思ったら動きがよく分からず見にくくて動きも前作に比べるとロボット特有のかっこよさが欠けてる気がした。トランスフォーマー並みに綺麗なデザインでち密な動きしてくれたらストーリーが雑でも見応えあるんだけど、そういう動きの良さもあまりない。
機体の中もいつの間にやら仲間やられてるわ、あれ?新田真剣佑どこいった?あれ?もうやられた?みたいな感じになっているのも少し残念。
日本の描写が割と適当で嫌に思う人はいるのかも。中国みたいな看板があったりガンダム像が変なところにあったり富士山がデカすぎたり。
前作の監督、脚本、製作をしてくれたギレルモ・デル・トロ監督。彼が監督した前作は日本のロボットや怪獣が好きだという愛を感じたなぁ。オタク成分が最高に満ちていたよ。
次回作をもしやるというのであればギレルモ・デル・トロ監督にすべて任せてほしいなぁ。